遺産を無断で費消した相続人との間で、示談交渉を行い公正証書を作成
ご相談の背景
ご依頼者は60歳代の男性で、90歳代の父親が亡くなりました。相続人は、ご依頼者と兄、弟になります。
父親は、生前に自筆証書遺言を作成していました。遺言で依頼者の所有とされたマンションを父の死後、売却し,兄が管理することになっていましたが、兄がその売却代金の一部である850万円を勝手に自己の借金の返済や生活費に充てて、使ってしまいました。
父親の財産は、自宅の土地・建物、預貯金、株式等でした。
解決方法
相続人で遺産分割調停を行っていましたが、その手続きで兄が遺産の一部を費消したことを認めました。また、その後、遺産分割調停の申し立てを、兄が取り下げました。
依頼者は、遺言により自己が取得するはずであった不動産(売却代金)を兄に勝手に使い込まれてしまい、兄からは謝罪はあるが生活が苦しいので返済することはできないと述べられており、困っているとのことでした。
そこで、当事務所が受任し、兄が費消した金銭を取り戻すため、損害賠償請求を検討の上、兄と示談交渉を行いました。
そして、費消した金額(850万円)を明らかにし、兄が一括での返済に応じることは困難とのことだったので、分割払いにし、更に連帯保証人を付けて、公正証書を作成しました。
上記の他、一部の相続人による遺産の使い込み(使途不明金)等の問題は、しばしば見受けられます。
例えば、相続人の一人が無断で、①被相続人の死亡直前に被相続人名義の預貯金を引き出してしまう場合や、②被相続人の死亡後に被相続人名義の預貯金口座から金員を引き出してしまう場合等があります。
このように被相続人の預貯金が無断で払い戻され特定の相続人が取得した場合は、不法行為又は不当利得の問題となり、交渉、訴訟等の早急な対応が必要となります。
審判
相続トラブル解決事例
- 遺産を相続したくない妹より相続分譲渡証書を取得し、遺産分割協議を成立。銀行預金の相続手続きを実施。
- 遺産分割調停で、寄与分、特別受益の主張が認められ、遺産である収益不動産に関して代償分割をして調停成立。
- 遺産分割調停で、相手方による亡くなった親の預金名義の引き出し・費消の主張を退け、調停成立。
- 子のいない夫婦で、妻が実家の共有持分を実親に相続させるよう、公正証書遺言を作成
- 死亡保険金が持ち戻しの対象にならないことを主張して、遺産分割協議を成立
- 共同相続人に対する継続的な資金援助(特別受益)を主張して遺産分割調停を成立
- 相続人の成年後見人の選任申立てを行い、遺産分割協議を成立
- 遺留分に配慮した公正証書遺言の作成
- 夫の死後に多額の借金が判明して相続放棄
- 推定相続人廃除を申し立てられ、申立却下の審判を取得
- 献身的な介護による貢献(寄与分)を主張して、遺産分割協議を成立
- 相続財産の調査(不動産、生命保険等)を行い、遺産分割協議を成立
- 遺留分減殺請求を行い、遺留分の満額を取り戻す