【なかなか聞けない相続Q&A】4ページ 養子縁組をしたら、実親の相続権はなくなるの?

【Q】相続税対策の一環で、養子縁組を考えています。うちの養子になったら、実の親が亡くなったとき、相続権はないのでしょうか?

【A】一般的な普通養子縁組の場合、養親と養子との間に新たな親子関係が生じる一方、実親との親子関係も存続します。よって、養子は養親と実親の双方に対して相続権があります。これを養子の二重相続権といいます。

なお、養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組の2種類あります。

特別養子縁組をすると、実の親と特別養子に出した子供との親子関係は終了します。相続権も扶養義務もありません。ただし、特別養子は請求時に6歳未満である必要があります。実父母による監護が著しく困難または不適当であること、その他特別な事情があり、子の利益のために必要なときに限り、家庭裁判所の審判を経て認められます。

一方、普通養子の場合、養子が親より先に死亡し、配偶者や子供がいなく、親が法定相続人になる場合は、養親と実親ともに法定相続人になります。法定相続分の割合は、養親と実親に差はありません。たとえば、養子が死亡して、法定相続人が養父、養母、実母(実父はすでに死去)の3人の場合、法定相続分は3分の1ずつになります。

すでに子供がいる者を養子にした場合、その養子の子供と、養親との間には法定血族関係が生じません。養親より先に養子が亡くなった場合、養子の子は養親の財産を代襲相続できないので注意が必要です。なお、養子縁組後に出生した養子の子は、財産を代襲相続できます。

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