【今からできる相続対策】3ページ 兄弟姉妹の中が悪かったら必ず遺言書をつくろう
子供が複数いると、その兄弟姉妹の仲が決して良いとは限りません。また、仲が良かった兄弟姉妹でも、いざ相続となると、遺産分割をめぐってもめる可能性があります。自分が亡くなった後、家族には骨肉の争いを起こしてもらいたくないものです。そうならないためには遺言書を作成しておくことが大切です。
同じ兄弟姉妹でも、親とのかかわり方に差がつきます。「夫婦で親と同居して面倒を見ている」「家業を継いで親と一緒に事業を行っている」というように親子が密接にかかわっているケースもあれば、「結婚して以来、一度も実家に帰っていない」「海外に渡ったきり音信不通」というように、疎遠になっている例もあるでしょう。それゆえ、親の側でも「面倒を見てくれている(事業を継いでくれている)息子夫婦に多くの財産を残してあげたい」と考えたくなるものです。もし、そういう思いがあるのなら、必ず遺言書を作成しましょう。たとえば、同居して家業を継いでくれている長男夫婦に多くの財産をあげたいと考えていて、常々本人たちにその旨を話していたとしても、遺言書に示さなければ効力がありません。遺言書がない場合は、相続人の間で遺産分割協議を行うことになります。遺産分割協議は相続人全員が集まって話し合います。そして、全員の同意がなければ、遺産分割の手続きを進められないのです。「自分は親と同居して面倒を見てきたのだから、多くの財産を引き継ぐべき」と主張しても、他の兄弟姉妹が「自分たちも同じ法定相続人だから、法定相続分をしっかりもらいたい」と反論してくる可能性があるでしょう。もともと仲が良かった兄弟姉妹でさえ、それぞれの配偶者(夫や妻)が介入すると、考えが対立し、争いへと発展してしまいがちです。今のうちから遺言書を作成し、誰に何をどれだけ相続するのか、財産の分割方法を決めておきましょう。
子供がいなく両親も亡くなっていたら兄弟姉妹にも財産が渡る
また、相続人は子供たちだけではありません。もし、子供がいなくて両親がすでに亡くなっている場合で相続が起きたら、財産はご自身の兄弟姉妹も受け取ることになります。割合は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1です。もし、すでに死亡している兄弟姉妹に子供がいたら、その子供にも代襲相続されます。もし、兄弟姉妹やその子供等に財産を渡したくないのでしたら、遺言書の作成が不可欠です。しかし、遺言書を作成しても「遺留分」(相続人が最低限相続できる財産)を侵している相続人がいると、「取り分が少ない」と「遺留分減殺請求」をされる可能性もありますので、注意しましょう。
相続・贈与について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。