【なかなか聞けない相続Q&A】4ページ 必ず法定相続分通りに遺産を分割しなければいけないの?
【Q】夫が亡くなり、相続が発生しました。相続人は私と長男と次男と長女の計4人です。遺産を分割する際、必ず法定相続分通り(妻1/2、子供1/6ずつ)に分けなければいけないのですか?
【A】結論から言うと、必ず法定相続分通りに遺産分割をしなければいけないわけではありません。話し合いの結果、法定相続分通りでなくても、その遺産分割は有効です。法的に有効な遺言書があれば、法定相続分よりも遺言書の内容を優先します。しかし、遺言書がない場合には、法定相続分を目安に遺産を分割することになります。ここを勘違いして「相続が発生したら、法定相続分を相続できる権利がある」と主張する人もいますが、そうではありません。相続人全員で遺産分割協議を行うことではじめて、誰がどの財産を相続するのかが決まるのです。法定相続分とは「このように財産を分けるのが一番望ましい」と、民法で決めている法定分割で分けた、それぞれの法定相続人の取り分を指します。相続財産が、すべて預貯金や有価証券などの金融資産ならば、法定相続分通りに分割することも可能になります。しかし、現実的には相続財産には不動産や自社株式などが大きな割合を占めるケースが多いものです。きっちり法定相続分通りに分割するのは、現実的には難しいと思われます。法定相続分とは、相続税額を算出するときや、相続人同士の話し合いで、なかなか合意できない場合の法律上の目安と考えていただければいいでしょう。
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