【なかなか聞けない相続Q&A】4ページ 妻に内緒で妻名義の預金口座をつくっている場合はどうすればいい?

【Q】いつか私か亡くなっても、不自由なく暮らしていけるよう、妻名義で預金口座をつくり、毎月決まった額を入金しています。これは私が死んだら、自動的に妻のものになるのでしょうか?

【A】奥様が専業主婦なのに、まとまった金額の預金口座を持っていると、税務署がチェックします。

・通帳・印鑑の管理・支配は誰が行っていたか

・名義財産の原資は誰が負担していたか

・贈与税の申告をしているかどうか

つまり、あなたが亡くなった時点で、奥様名義の預金の通帳や印鑑の場所を、奥様本人が把握していなかったり、口座の存在を知らなかった場合は、即刻名義預金とみなされ、亡くなったあなたの財産として扱われます。また、奥様の名義になっている預金が、あなたの口座から振り替えられていると、名義預金とみなされる可能性が高まるでしょう。現時点でできる対策としては、次が考えられます。

・適当なタイミングで奥様本人に預金の存在を知らせ、通帳と印鑑を渡し、自由に使ってもらう

・毎月毎年同じ額を入金するのではなく、金額に差をつける

・毎年110万円以内の贈与ではなく、ある年にはいくらか基礎控除額を上回る贈与をして、少額でも贈与税を払っておく

そもそも所得の原資が夫ならば、妻が自分で管理していても、夫の預金と税務署はみなします。もし多額の預金がたまっている状態で夫に相続が発生すれば大変です。贈与税の申告をしていなければ、税務署は相続税を課税しようとします。奥様に内緒で預金口座をつくり、自分の死後にさりげなくプレゼントしたいという気持ちは理解できます。しかし、税務署から名義預金とみなされ、税金を支払わなければいけなくなると、奥様に不安を与え、好意が災いになるので、注意しましょう。