【なかなか聞けない相続Q&A】4ページ 「連帯保証人」と「保証人」はどう違うの?

【Q】よく「保証人になって借金を肩代わりすることになった」という話を耳にすることがあります。「保証人」と「連帯保証人」とは同じことを指しているのでしょうか?

【A】「保証人」とは、ある債務の履行がない場合に、その債務と同一内容の給付を目的とする債務を負う人を指します。あくまで、主たる債務が履行されない(実際にお金を借りた人が返済しない)場合に、補充的に履行されるものです。よって、債権者がいきなり保証人に請求してきたり、強制執行してきたような場合は「まず実際に借りた人に請求しなさい」と言うことができ(催告の抗弁権)、「借りた本人には返済に回せる財産がまだあるから、調べてみてください」と主張することも可能です(検索の抗弁権)。一方、「連帯保証人」とは、主たる債務者と連帯して債務を負うという特約を付した保証人です。上記の催告の抗弁権と検索の抗弁権はありません。つまり、事実上は主たる債務者と同じだけの金額の債務を負った責任が生じるのです。連帯保証人は主たる債務者と同等の地位にあります。主たる債務者が返済可能な状態にあるかどうかは関係なく、債権者は連帯保証人に返済を求めることができます。また、連帯保証人が複数いる場合、負うべき債務が頭割りになるわけではなく、債権者は特定の連帯保証人に債務の全額返済を求めることも認められるのです。もし、連帯保証人のうち1人が全額返済すれば、主たる債務者には全額、他の連帯保証人からは内部負担の割合に応じて弁償してもらうことが可能です。連帯保証人は、債権者の立場からすると、非常に有利な制度であり、現実の取引では保証人というと、連帯保証人を指す場合が多いです。被相続人が連帯保証人になっていれば、債務として計上されます。後に発覚すると、残された家族がトラブルの輪に巻き込まれてしまうこともあります。

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