【なかなか聞けない相続Q&A】4ページ 暦年贈与は、年始と年末のどちらに行ったほうがいいの?
【Q】暦年贈与とは、1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の金額の合計額に応じて贈与税を払うことは分かったのですが、タイミング的には年始と年末、どちらがいいのですか?
【A】確かに、暦年贈与は1月の年始から12月の年末までに贈与を受けた金額に応じて贈与税がかかるので、どのタイミングで贈与を行っても同じような気がします。あるいは、「年始に贈与して、それから追加で贈与があると、贈与税がかかるから、年末にまとめたほうがいいのでは?」と考える人も、いるかもしれません。結論からいうと、暦年贈与は1月のうちに行ったほうが得策です。
なぜなら、相続などにより財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内(死亡の日からさかのぼって3年前の日から死亡の日までの間)に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産の贈与のときの価額を加算するからです。これを「相続税の生前贈与加算」と言います。つまり、被相続人の死亡の日から、この「死亡の日から3年前」に近ければ近いほど、贈与を受けた財産が、相続財産として加算される可能性が高くなるのです。人間、いつ死ぬかは分かりません。相続対策と思って贈与をしても、それから3年以内に亡くなれば、その財産も相続財産にみなされてしまうのです。3年以内であれば、贈与税がかかっていたかどうかは関係ありません。基礎控除額110万円以下の贈与財産も含まれるのです。
次の贈与財産は、相続税の生前贈与加算の規定は受けません。
・婚姻期間20年以上の贈与税の配偶者控除の財産
・直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金
・直系尊属から贈与を受けた教育資金
これらの贈与に対しては、その日から相続税の対象からは除外されます。
相続・贈与について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。