【資産安心コラム】2ページ 暦年贈与が名義預金と見なされないためには?
年間110万円までの贈与であれば贈与税が非課税となる暦年贈与制度。そのため、相続税対策として活用している方も多いのではないでしょうか。しかし、暦年贈与制度の活用方法を誤ると、名義預金と見なされ相続税が課税されてしまうこともあるので注意が必要です。そこで、どういった場合に相続税が課税されるのか、そのケースと対策を紹介していきます。
贈与と認められないケースとは?
自分が先立った後、妻が生活に困らないように、妻の預金口座に少しずつ自分のお金を移しておく。孫の将来のために、孫の名前で預金口座を作って、自分のお金を移しておく。相続税対策として、このようなことを行っている人も多いのではないでしょうか。なぜなら、年間110万円までの生前贈与であれば、贈与税がかからないからです。
しかし、その預金口座を妻や孫が管理できていない状態だと、被相続人の財産であると見なされてしまいます。こうした預金を名義預金(名義にかかわらず、被相続人の財産と見なされる預金)といいます。
名義預金と見なされてしまうと、贈与とは認められません。そのため、相続税がかかることになってしまいます。
名義預金と見なされる可能性が高いケースとしては、以下があげられます。
●自分の口座にお金が入っていることを、預金の名義人が知らない
●預金の名義人ではなく、被相続人が預金通帳 や銀行印などを所有しており、預金の名義人が財産を処分することができない
名義預金と見なされないためのポイントとは?
贈与を名義預金だと見なされないためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
●預金の名義人が通帳や銀行印を所有しており、財産を自由に処分できる状況にある
●預金名義人が贈与を受けていることを知っている
●財産の移転ごとに贈与契約書が作られており、その都度自署されている
●受贈者と贈与者で同じ契約書の印鑑を使わない
以上の点に注意し、暦年贈与を上手に活用して相続税対策を行いましょう。