【相続の基本講座】4ページ 亡くなる3年前の贈与は相続税の対象となる!?
相続税対策として贈与制度を活用している人は多いでしょう。しかし、相続人に財産を贈与してから3年以内に贈与者が亡くなってしまった場合、その財産は相続財産と見なされてしまうのです。今回は、『3年以内の贈与』にかかる相続税と贈与制度を使うときの注意点をお伝えしていきます。
『3年以内の贈与』に相続税がかかる場合とは?
年間110万円以下の贈与を行う暦年贈与の場合、基礎控除内で収まるため、相続税がかかることはありません。しかし、たとえば、相続開始前3年間のうちに110万円ずつを暦年贈与していた場合、その330万円は相続税の対象になってしまいます。
また、直系尊属から教育資金の一括贈与や住宅取得等資金の贈与などを受ける場合には非課税枠が大きくなりますが、この場合も相続開始3年以内の贈与になれば、非課税枠を超えた額については相続税の対象となります。
ただし、この『3年以内の贈与』の対象となるのは法定相続人のみです。孫や相続人の配偶者に対する贈与については、相続開始から3年以内の贈与であったとしても相続財産として加算されません。
相続税対策として贈与制度を使うときの注意点
一人に対する贈与であれば相続税の基礎控除内に収まる可能性も高まりますが、子どもが複数いる場合などは、暦年贈与だけでも額が大きくなる可能性があるので注意が必要です。
『3年以内の贈与』の対象となり、相続税を加算されないようにするためには、早い時期から贈与を始めておくことが一番の対策です。また、万が一相続財産に含まれてもいいように、相続税の基礎控除を意識して贈与を計画しておくのも一つの方法といえます。
相続対策のために生前贈与を活用していても、突然の相続が起きる可能性はゼロではありません。相続対策を行うときには、『3年以内の贈与』も注意する必要があるでしょう。