障害を抱えた子の将来の面倒を見ることを条件に、第三者に財産を与えるという遺言はできますか?

年老いた親にとって、障害を抱えた子の将来ほど心配なことはないでしょう。
したがって、もし、誰かその子の面倒を見てくれるという信頼できる人や機関が見つかれば、その子の面倒を見てもらう代わりに、その人や機関に、それにふさわしい財産を遺贈したいと思われるのも、ごく自然なことと思います。

民法は、このように、財産の遺贈を受ける人(「受遺者」と言います。)に一定の負担を与える遺贈のことを、「負担付遺贈」として、規定を置いています(民法1002条)。

負担付遺贈をする場合に配慮すべきことは、負担の内容を明確にすることと、その負担が、遺贈の目的の価額の範囲内にあるようにすることですが、いずれにしろ、このような遺言をする場合には、受遺者となるべき人又は機関と、事前に十分話し合っておくことが必要と思われます。

遺言が効力を生じた後に、受遺者が負担した義務を履行しない場合には、相続人は、相当の期間を定めてその履行を催告し、その期間内に履行がないときは、遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができることになっています(民法1027条)。