先日、父親が亡くなり、兄弟2人で父親の財産を相続することになりました。ところが、私が長男であったため、先祖代々のお墓を私が承継することになったのですが、弟から、「お墓不足の昨今、お墓を取得するには、数百万円は必要になるので、お墓をもらったお兄さんはその分相続分を減らすべきだ」と要求されました。私は、弟の要求を応じなければならないのでしょうか。

お墓を承継した分だけ兄の相続財産を減らすべきだという弟さんの要求に応ずる必要はありません。

確かに、お墓を購入しようとすると、墓石代、永代使用料等の諸費用がかかります。

このうち、永代使用料は、安いところで約数十万円、高いところになると約数百万円というところもあります。

そのため、墓石購入費等を合わせると、お墓を購入するには数百万円はかかるのです。

そうすると、お墓を承継しない者にとっては、お墓を承継しない代わりに、その分、相続分を増やしてほしいと思うのも分からないわけではありません。

しかし、お墓を承継するというのは、お墓の管理料を支出したり、あるいはその供養をしたりしなければならない等の義務を負担することにもなります。

さらに言えば、お墓を承継したからといって、お墓を他人に売って換金することもできないので、義務だけを承継すると言っても過言ではありません。

そのため、お墓を承継する者が一人利益を得ているとは言えないのです。

また、民法という法律は、お墓を相続財産とは別個の祭祀財産とし、相続の財産とはされていません。

このことからしても、お墓を承継した者に対し、相続財産を減らすべきだと主張するのは、法的にも根拠がないことになります。